•  [1] 錘を利用した回転原動機です

    この装置は 2個の錘を利用して、2個の錘が分離状態のときは回転力差を利用して機能していない重心が回転軸の上方が安定状態となり、一体状態のときは機能する重心が逆の回転軸の下方が安定状態となり、回転体が垂直状態のときに分離状態と一体状態が交代するようにしています。 1個の装置ですが真逆の安定状態を保有した 2つの装置で構成してあります。
    次の 1) と 2) の半回転運動を交互に繰り返すことで 図 1-1 のように回転運動を継続します。

      1) 分離状態のときは重心が回転軸上方の安定位置に向かって半回転して
      2) 一体状態のときは重心が回転軸下方の安定位置に向かって半回転します

    回転体が水平時に最大で徐々に小さくなり垂直時に 0となる回転力で常時回転を加速して最後は最終回転速度で回転継続します。
    歯車 6個と錘 2個が装置の殆どです。歯車は数多くの装置に採用されています。
    一番外側の歯車が元気に力強く回転するので、これを外歯形状にして発電機を取り付ければ、昼夜天候に関わらない燃料補給を必要としない 1日24時間稼動を続ける発電機となります。
    錘をエネルギー源としているので不要な廃棄物は発生せずに、騒音や雑音などの心配も無く、火災や爆発などの危険性もありません。
    2個の振り子運動を利用して位置エネルギーを運動エネルギーに変える運動だけを利用しています。運動エネルギーを位置エネルギーに変える運動は除去しています。
    図 1-1. 装置の回転運動 図 1-2. 装置の全体

     図 1-2 で使用している記号の説明です

     記号 直径 説明 記号 説明
      H1 200 固定歯車内歯  R1 回転体回転軸
      H2 200 固定歯車外歯
      H3 280 伝達歯車
      H4  80 吊下歯車  R4 吊下歯車回転軸
      H5  41 逆回転歯車  P  吊下体と吊上体の接点
      H6  40 吊上歯車  G  回転体重心

    次の順序で説明します。
     [2] 固定歯車内歯と固定歯車外歯は R1.回転体回転軸に固定して伝達歯車は自由に回転できるように装着します
     [3] 吊下体のみの振り子運動です
     [4] 吊上体のみの振り子運動です
     [5] 吊下体と吊上体が分離状態の振り子運動です
     [6] 吊下体と吊上体が一体状態の振り子運動です
     [7] 分離状態と一体状態を切り替える方法です
     [8] 分離状態と一体状態を切り替えると回転運動となります
     [9] 装置の特長です
    [10] 錘を持ち上げるエネルギーはどうなるのか
    [11] エネルギー保存則での説明はどうするのか
    [12] 装置の作成時に留意した項目です
    [13] この装置は永久機関なのか
    [14] 装置構成図
    [15] 2個の錘重量配分
    [16] 歯車カタログの使用

    [2] 固定歯車内歯と固定歯車外歯は R1.回転体回転軸に固定して伝達歯車は自由に回転できるように装着します

    図 2-1. 固定歯車と伝達歯車

    R1.回転体の回転軸です
    H1.固定歯車内歯と H2.固定歯車外歯は R1.回転体回転軸に固定するので回転しません
    H3.伝達歯車は R1.回転体回転軸を中心に自由に回転します

    [3] 吊下体のみの振り子運動です

    図 3-1. 吊下体のみの振り子運動 図 3-2. 吊下体のみの回転力関係

    吊下体は R1.回転軸 に自由に回転する吊下棒の一端に H4.吊下歯車を自由に回転できるように H4.吊下歯車 の厚み半分と H1.固定小歯車 の内側に接します。
    W1.吊下体の加重です。
    図 3-1 は吊下体が H1.固定小歯車の内側に沿って転がりながら行う振り子運動とH3.伝達歯車の回転を示します。
    歯車の緑色線は歯車の回転を示します。
    青矢印曲線は位置エネルギーから運動エネルギーへの変換を、赤矢印曲線は運動エネルギーから位置エネルギーへの変換を示します。

    [4] 吊上体のみの振り子運動です

    図 4-1. 吊上体のみの振り子運動 図 4-2. 吊上体のみの回転力関係

    吊上体は吊上棒の一端に H6.吊上歯車を自由に回転できるように装着したものと、H4.吊下歯車の幅半分に接して H3.伝達歯車と接する逆回転歯車を接続したもので構成して R1.回転軸に自由に回転できるように装着します。
    W6.吊上体の加重です。
    W5.逆回転歯車の加重です、R1.回転軸の反対側同距離に同加重を配置して W5.逆回転歯車の加重を無視できるようにしています。
    図 4-1 は H6.吊上歯車が H1.固定小歯車の外側に沿って転がりながら行う振り子運動と H5.逆回転歯車の回転と H3.伝達歯車の回転を示します。

    [5] 吊下体と吊上体が分離状態の振り子運動です

    図 5-1. 分離状態の振り子運動 図 5-2. 分離状態の回転力関係

    図 5-2 の様に吊下体と吊上体を一直線上に配置します。
    W1.吊下体重量は H1.固定歯車を回転落下する回転力が H5.逆回転歯車に 図15-3の行1 の様に F1=30.22kg の時計回り回転力が伝わります。図の F1 は矢印の先が図外に飛び出してしまうので 4kg の長さとしてあります、実際はこの長さの 7.5倍 です。
    この回転力は H4.吊下歯車の半径を大きくするのと、H5.逆回転歯車と回転棒の間隔角度 (R1とR4,R5の角度) を小さくことでより大きくなります。
    W6.吊上体重量は H1.固定歯車を回転落下する回転力が H3.伝達歯車を経由してH5.逆回転歯車に F3=W6÷2 の反時計回り回転力が伝わります。
    図 5-2 の分離状態では落下回転力 F1 > F3 から H3.伝達歯車は時計回りに回転を開始します。
    H3.伝達歯車回転力 = F1 - F3 です。
    この分離状態では機能しない G.重心 が R.回転軸の上方に位置するのが安定状態となるので 図 5-1 のような振り子運動を行います。

    下の図 5-3 は半径 82mm 重量 0.88Kg の歯車の図 5-2 状態での間隔角度が 反時計回りで 180°から 345°までの 15°間隔の F1 回転力の比較です。角度 345°の回転力が 5.00 となっていますが、ばね秤の上限が 5Kg となっているもので、実際はこれを遥かに超えました。
    重量は歯車重量、回転力はばね秤での測定値、倍率は回転力÷歯車重量、選択セルは採用倍率を示します。
    折れ線グラフは回転力の間隔角度別推移を示します。間隔角度が小さくなると回転力は急激に上昇します。
    図 5-3. 半径82mm円盤の角度別回転力比較

    下の図 5-4 は同様歯車の計算値の回転力と倍率、測定値との差です。折れ線グラフは回転力の間隔角度別推移を示します。
    図 5-4. 半径82mm円盤の角度別計算値の回転力比較

    [6] 吊下体と吊上体が一体状態の振り子運動です

    図 6-1. 一体状態の振り子運動 図 6-2. 一体状態の回転力関係

    図 6-2 の一体状態では G.重心に W1+W2 の落下力が機能しているので回転体は時計回りに回転を開始します。
    この一体状態では機能する G.重心 が R.回転軸の下方に位置するのが安定状態となるので 図 6-1 のような振り子運動を行います。
    H3.伝達歯車回転力 = ( H4.吊下歯車重量 + H6.吊上歯車重量 ) × ( R1 と G の長さ ) ÷ ( R1 と R6 の長さ ) ÷ 2 です。

    [7] 分離状態と一体状態を切り替える方法です

    図 7-1. 分離状態 図 7-2. 一体状態

    図 7-1 では吊下棒の P.接点 下側に吊上棒を触れるようにすることで W6 が吊下棒に伝わらずに重心が機能しない分離状態となります。
    図 7-2 では吊下棒の P.接点 上側に吊上棒が触れることになるので W6 が吊下棒に伝わり重心が機能する一体状態となります。
    これにより重心が回転軸左側にあるときは分離状態となり、右側にあるときは一体状態となります。

    [8] 分離状態と一体状態を切り替えると回転運動となります

    図 8-1. 分離状態と一体状態を切り替えた回転運動 図 8-2. 回転体が 2本の場合

    図 8-1 では分離状態と一体状態を切り替えることで回転運動となることを示します。
    運動エネルギーを位置エネルギーに変換する赤矢印曲線は無くなり、位置エネルギーを運動エネルギーに変換する青矢印曲線だけとなりました。
    分離状態と一体状態の回転力を同様となるように H4.吊下歯車 重量と H6.吊上歯車 重量を調整します。
    回転体が 1本のときは回転体が垂直のときに回転力が無くなります。
    図 8-2 にて回転体を等間隔角度にて 2本 に増やすと何れの回転角度でも回転力が生じるようになります。
    これで回転を停止していた停止機能を解除すると回転体が何れの角度でも回転を開始します。

    [9] 装置の特長です

    9-1) 能力の増大は比較的容易です
    手の平サイズの小型から中型、大型といろいろと用途別にサイズを変更しても構成要素は変わりません。
    錘を重くしたり、サイズを大きくしたりすればそれらに応じて能力は増大します。
    回転体の数を増やすとそれに応じて能力は増大して、回転体の回転角度別の回転力のばらつきが少なくなります。
    H4.吊下歯車の半径を大きくすると分離状態の回転力が増大するので H6.吊上歯車 重量を増大することができて一体状態の重心が回転軸から離れます。

    9-2) エネルギー源として錘を使用します
    錘を使用すれば重力が作用する地上や地下、海上、海中、空中のどこでも使用ができて、重力が作用しない宇宙空間では遠心力を利用した人工重力でも同様に使用できます。
    錘は使用した後に姿を変えません。
    使用継続することで消費する燃料などの新たな費用が発生しません。
    天候や昼夜時間帯の影響を受けずに常時一定の回転力を極めて安定して利用できます。
    産出する廃棄物は無いので環境に及ぼす悪影響を低減できます。
    不慮の災害時に損傷しても環境に与える悪害が少くて、復旧作業も比較的容易となります。
    左右だけでは無く、書棚のように上下にも設置できるので設置面積が少なく済みます。

    9-3) 燃料補給が不要な原動機として利用できます
    燃料のための給油作業と保管空間と費用が不要となります。

    9-4) 発電機の原動機として利用できます
    燃料のための保管空間が不要となり小型化と軽量化ができます。
    危険性は少ないので家の床下でも、砂漠や山奥、無人の離島、大都会のど真ん中など、どこでも使用できます。
    電気自動車の発電機に利用すれば充電作業が不要となるので、充電のための場所と費用を気にせずにどこまでも走り続けられます。
    発電所の発電機に利用すれば燃料と巨大な設備が不要となり、不要な排出物も無くなります。
    漁船の原動機に利用すれば給油のための寄港と費用が不要となり、燃料タンクが他の用途に利用できます。

    9-5) 費用と効果面では
    装置構成の殆どが 6個の歯車なのでサイズを大きくしなければ製品価格を抑えられます。
    燃料が不要となるので給油の手間が無くなり燃料保管空間を別途の用途で使用できるようになります。危険度が下がります。

    9-6) 特許登録しました
    新しい製品で製作と販売ができて産業発達に役立つものと評価されたと考えます。

    [10] 錘を持ち上げるエネルギーはどうなるのか

    「錘」は高いところから低いところに落下するときにエネルギーを生成するけど、元の高いところに戻すときに取り出した以上のエネルギーを消費してしまうから「錘」で回転運動を継続する装置はできないとのご意見をいただきました。

    この装置は分離状態の安定状態と一体状態の安定状態を逆転させており、この2つの安定状態に向かう半回転運動を交互に行うことでこの課題を解決しており、元の位置に戻す時にエネルギーを必要としてはおりません。

    [11] エネルギー保存則での説明はどうするのか

    エネルギー保存則でエネルギー源を消費しないでエネルギーを取り出すことはできない、と説明されているから「錘」で回転運動を継続する装置はできないとのご意見をいただきました。

    エネルギー保存則は「孤立系のエネルギーの総量は変化しない」という物理学における法則の一つである、とあります。

    この装置ではエネルギーを生成して外部に出力していますが外部から投入するエネルギー源がありません。
    装置全体を 1個の「系」とするとこの装置はこの法則に不合理となります。

    そこで、「振り子運動では位置エネルギーと運動エネルギーの総量は変化しませんと力学的エネルギー保存の法則」にあるので振り子運動を「系」とします。

    分離状態の振り子運動の「系」と一体状態の振り子運動の「系」の 2個の「系」をこの装置に用意します。
    これら「系」は重心が回転軸鉛直線上を通過するときに活動状態と休止状態を交代します。
    一方の活動状態にある「系」では,位置エネルギーを運動エネルギーへ変換しながら徐々に安定位置へと移動します。
    他方の休止状態にある「系」ではエネルギー変換がない慣性状態となりますが、この間にエネルギーを消費せずに将来有効となる潜在する位置エネルギー源が徐々に安定位置から離れて上昇していきます。
    活動状態にある「系」が安定位置を通過したときに、それまで休止状態中に安定位置から最大位置エネルギーに移動した「系」と活動状態と休止状態が入れ替わり、他方の「系」が活動状態となり同様運動を交互に繰返します。

    このように休止状態「系」のときに他方活動状態「系」の作用によりエネルギーを消費しないで増大した位置エネルギー源を、活動状態「系」のときに運動エネルギーへの変換を交互に繰返すことで、装置外部からエネルギー供給を必要としないで装置外部へは運動エネルギーを供給することができます。

    [12] 装置の作成時に留意した項目です

    12-1) 装置が 1回転したときに各歯車の位置がそれぞれの位置に正確に復元している
    大小歯車をいろいろと噛み合わせて表計算ソフトを使用して試しましたが、なかなか見つかりませんでした。
    これを H1.固定歯車 の 1週回転距離を H4.吊下歯車 を回転させて直接 H5.逆回転歯車 と H3.伝達歯車 を経由して H6.吊上歯車 に渡して H1.固定歯車 を 1週回転させる方法で行いました。それぞれが 1個の歯車で構成しています。一時期は大変複雑でした。

    12-2) 既存の部品で作成できる
    装置の殆どは歯車で構成されています。他にも新たな部品は使用しておりません。

    12-3) 分離状態で H4.吊下歯車 の落下回転力をできるだけ大きくして H6.吊上歯車 に渡す
    この回転力は H4.吊下歯車の半径を大きくすることと H5.逆回転歯車と回転棒の間隔角度を小さくことでより大きくなりますので、 H5.逆回転歯車 の歯数を H6.吊上歯車 の歯数に 1個加えることでできます。費用面からはカタログ歯車の使用となるので、できるだけ歯数の差が少ないものとなります。

    12-4) 一体状態で 重心 を回転軸からできるだけ距離を離す
    H4.吊下歯車 重量を軽く、H6.吊上歯車 重量を重くすることでできます。装置を大型化することでもできます。

    12-5) 2つの振り子運動をどうやって行うか
    ブランコ運動や鉄棒の車輪運動は外から力を加えていないのにどんどん大きな運動に変化していきます。外部から力もエネルギーも加えていないのに明らかにエネルギーが増大していきます。

    当時、ブランコ運動の説明について検索してみました。出会えたのは、
    「現在の物理学ではブランコ運動をうまく説明することができない」
    の一文でした。最近、再び検索してみましたところ、この文には出会えませんでした。出会えたのは数式で説明されたもので理解できないものでした。
    ブランコ運動は釣り下がったブランコに腰掛けてから前方に漕ぎ出して体を進め、戻ってきてから自然に後方に振れて、また最下点に達したときに漕ぐ。この動作の繰り返しでどんどん振れが大きくなっていくように思います。
    あの 漕ぐ という動作はなんなんだろうとなります。あれはブランコ全体では無くて、ロープにつかまった手を支点として小さな振り子運動だと考えました。漕げない子はX形に体が揺れているだけで体の重心が移動できていないように見えました。そこで思ったのは、ブランコ運動はブランコ全体の振り子運動と手を支点とした小さな振り子運動の 2つの振り子運動から構成されている。 2つの振り子運動を利用すると外部から力もエネルギーも加えなくてもエネルギーを増大することができる、ということに気づきます。

    車輪運動はぶら下がった体全体の振り子運動の他に、体が最下点に達したときに足を真っ直ぐに回転方向に振り出す、という動作を行います。これを足の振り子運動と考えれば、ブランコ運動と同様に説明できます。

    この装置ではこの必要な 2つの振り子運動を、分離状態での半回転と一体状態での半回転、ということで行っています。
    単振り子運動に例えると、 2個の単振り子があり、一方の単振り子が最上点から半回転して落下して最下点で突然姿を消して、同時に他方の単振り子が突然最上点に現れて半回転して落下して最下点で突然姿を消して、同時に先ほどの単振り子が突然最上点に現れて同様な運動を繰り返すように考えられます。

    [13] この装置は永久機関なのか

    永久機関については色々なところで丁寧に説明されています。
    永久機関なのか、そうで無いのか、は専門の方にご判断していただきます。
    錘を利用した回転駆動装置と考えます。

    [14] 装置構成図

    装置構成の歯車ごとの正面図、上面図です。側面図は上面図とよく似ているので省きます。
    接続棒は見易さから表記してない箇所があります。
    歯車の歯幅は10、内歯歯車はリング歯車で基準円と内径の差は10を使用します。

    14-1) 回転軸に H2.固定歯車外歯 を固定して装着します。
    図 14-11. 正面図 図 14-12. 上面図

    14-2) 回転軸に H1.固定歯車内歯 を固定して装着します。
    図 14-21. 正面図 図 14-22. 上面図

    14-3) 回転軸に H4.吊下歯車 を回転できるように装着します。H4.吊下歯車 は H1.固定歯車内歯 と H5.逆回転歯車 に接触するので 2個の歯幅 10 と間隔距離 2 を考慮して歯幅 22 とします。
    図 14-31. 正面図 図 14-32. 上面図 図 14-33. 吊下歯車単品

    14-4) 回転軸に H6.吊上歯車 を回転できるように装着します。吊下棒の P.接点 下側に吊上棒を触れるようにする接触板を装着します。
    図 14-41. 正面図 図 14-42. 上面図 図 14-43. 吊上歯車単品

    14-5) 回転軸に H5.逆回転歯車 を回転できるように装着します。H5.逆回転歯車 は H4.吊下歯車 と H3.伝達歯車 に接触するので 2個の歯幅 10 と間隔距離 2 を考慮して歯幅 22 とします。逆回転棒の逆回転歯車と反対側には逆回転歯車重量を相殺する錘を装着してから吊上棒と固定接続します。
    図 14-51. 正面図 図 14-52. 側面図 図 14-53. 吊上歯車と逆回転歯車

    14-6) 回転軸に H3.伝達歯車 を回転できるように装着します。
    図 14-61. 上面図 図 14-62. 側面図 図 14-63. 伝達歯車単品

    14-7) 適度な台座に取り付けて完成品となります。
    図 14-71. 完成品

    [15] 2個の錘重量配分

    図 15-1. 円盤の接線方向回転力 図 15-2. 2個の錘の重心

    図 15-1 は円盤の中心から水平方向の円周上の点 S を回転軸として重量 W1 による角度 θ の円周上の点に働く接線方向の回転力 F1 を示します。このときの計算式に F1 = W1/(1 - cosθ) を使用します。
    図 15-2 は一体状態の重心位置 RG を示します。RG = ( W1*R1 + W2*R2 ) / ( W1 + W2 )、H3.伝達歯車回転力 = ( W1 + W6 ) * RG / R6 / 2 を使用します。
    以下が歯車サイズと2個の錘重量を変えたときの H3.伝達歯車 回転力の例です。錘重量を調整すると分離状態と一体状態での伝達歯車回転力を近づけられます。いずれ最終回転速度で回転継続するのであれば、あまりここに拘わる必要は無いと思われます。

    図 15-3.歯車サイズと錘重量のH3.伝達歯車回転力
    H1 直径 H4 直径 H5 直径 H4 重量 H6 重量 H5 角度 F1 F2 分離力 重心重量 重心位置 一体力 差力
    1 200 80 41 1.00 1.00 345.22 30.22 0.50 29.72 2.00 30.00 0.25 29.47
    2 200 80 41 1.00 2.00 345.22 30.22 1.00 29.22 3.00 60.00 0.75 28.47
    3 200 80 41 1.00 3.00 345.22 30.22 1.50 28.72 4.00 75.00 1.25 27.47
    4 200 80 41 1.00 4.00 345.22 30.22 2.00 28.22 5.00 84.00 1.75 26.47
    5 200 80 41 1.00 5.00 345.22 30.22 2.50 27.72 6.00 90.00 2.25 25.47
    6 200 80 41 0.40 5.00 345.22 12.09 2.50 9.59 5.40 106.67 2.40 7.19
    7 200 80 41 0.40 5.00 345.22 12.09 2.50 9.59 5.40 106.67 2.40 7.19
    8 100 40 41 1.00 1.00 340.46 17.36 0.50 16.86 2.00 20.00 0.29 16.58
    9 400 40 41 1.00 1.00 347.11 39.68 0.50 39.18 2.00 20.00 0.09 39.09
    10 400 80 41 1.00 1.00 347.76 43.99 0.50 43.49 2.00 30.00 0.14 43.35
    11 400 160 41 1.00 1.00 349.05 54.92 0.50 54.42 2.00 50.00 0.23 54.20
    12 600 240 41 1.00 1.00 350.85 78.59 0.50 78.09 2.00 70.00 0.22 77.87
    13 800 320 41 1.00 1.00 352.03 103.53 0.50 103.03 2.00 90.00 0.21 102.81
    14 1000 400 41 1.00 1.00 352.80 126.82 0.50 126.32 2.00 110.00 0.21 126.11
    15 100 40 21 1.00 1.00 339.13 15.24 0.50 14.74 2.00 15.00 0.25 14.49
    16 100 40 21 1.00 2.00 339.13 15.24 1.00 14.24 3.00 30.00 0.75 13.49
    17 100 40 21 1.00 10.00 339.13 15.24 5.00 10.24 11.00 51.82 4.75 5.49
    18 100 40 21 1.00 11.00 339.13 15.24 5.50 9.74 12.00 52.50 5.25 4.49
    19 100 40 21 1.00 12.00 339.13 15.24 6.00 9.24 13.00 53.08 5.75 3.49
    20 100 40 21 1.00 13.00 339.13 15.24 6.50 8.74 14.00 53.57 6.25 2.49
    21 100 40 21 1.00 14.00 339.13 15.24 7.00 8.24 15.00 54.00 6.75 1.49
    22 100 40 21 1.00 15.00 339.13 15.24 7.50 7.74 16.00 54.38 7.25 0.49
    23 100 40 21 1.00 16.00 339.13 15.24 8.00 7.24 17.00 54.71 7.75 -0.51
    24 100 40 31 1.00 1.00 339.87 16.37 0.50 15.87 2.00 17.50 0.27 15.60
    25 100 40 41 1.00 1.00 340.46 17.36 0.50 16.86 2.00 20.00 0.29 16.58
    26 104 40 21 1.00 1.00 339.46 15.73 0.50 15.23 2.00 15.00 0.24 14.99

    行 1は 図 1-2 の歯車サイズで H4,H6の重量を 1kgとしたものです。分離力は H3 に加わる分離状態の回転力をkg重量で示しました。一体力は H3 に加わる一体状態の回転力をkg重量で示しました。差力は分離力と一体力の差を示します。一体力が 0.25kg となっているので辛うじて回転しそうです。
    行 2 から 5 はH6の重量を 1kgずつ増やしました。一体力は徐々に大きくなります。
    行 6 は H4 の重量を 0.4kg とすると差力が 1.2kg となり重量調整にて分離回転力と一体回転力を近づけられます。
    行 7 は H5 直径を 41 としたものです。分離力が増大します。
    行 8 は の H1 直径を半分としたものです。分離力が減少しますが回転は続きそうです。
    行 9 は 行 1 の H1直径を2倍としたものです。分離力が増大します。
    行 10 は H4 直径を行 1 としたものです。F1 が増大します。
    行 11 は H4 直径を 2倍としたものです。F1 が増大します。
    行 12, 13, 14 は H1直径, H4 直径を行 1 の 3, 4, 5倍としたものです。F1 が増大します。
    行 15 は 歯車カタログを使用したものです。H5 と H6 の直径差が小さいからか F1 が大きいです。
    行 16〜23 はH6重量を変更して差力の変化を見たものです。2Kg回転力を維持するにはH4重量に0.25Kg、H4重量に7.25Kgとすることになります。

    行 14 で回転体 4 個を使用すると 1kg の錘 8 個を使用して常時、分離力 126.32kg と一体力 0.21kg の合計 126.53kg から 126.53 × sin(45°)=0.70 × 2 = 177.14kg の回転重量が伝達歯車に伝わることになります。
    行 15 では 15.49kg から 21.68kg となります。

    [16] 歯車カタログの使用

    次は協育歯車工業様の Web 歯車カタログから基準円直径にて各歯車を選択したものが朱字です。モジュールは 1 としました。
    歯幅が足りないものは 2個を貼り合わせます。
    16-1) 内歯歯車
    図 16-1. H1、H3 選択

    16-2) 平歯車
    図 16-2. H2、H4、H5、H6、選択


    以上が装置の説明です。